日本共産党 岡山市議団

【資料】 2018年2月議会 陳情の採択を求める討論(3/16田中のぞみ)

18年03月16日

【印刷用PDF】2018年2月議会 陳情討論(0316田中のぞみ)

 

日本共産党市議団の田中のぞみです。
日本共産党市議団を代表して、委員会報告に反対の立場で、陳情第2号「生活保護基準引き下げ中止を国に求める意見書の提出について」と、陳情第4号「岡山市の国民健康保険料の引き上げをやめて『安心して払える国民健康保険料』を求めることについて」の採択を求めて討論します。

【生活保護基準の引き下げは中止を】
まず、陳情第2号は、政府が昨年末に発表した新たな生活保護基準の引き下げ中止を求める意見書の提出を求めるものです。
政府は、今年10月から3年かけて段階的に生活保護の基準額を現行より最大5%引き下げるとしました。貧困問題にさらなる追い打ちをかけるもので看過出来ません。
生活保護基準は2013年からの3年間ですでに最大10%引き下げられており、今回と合わせると最大15%の引き下げになります。しかも、家族が多いほど引き下げ率は高く、母子加算も2割削減されるので、その影響は深刻です。今でも、寒い冬も月末になると灯油代が捻出できずに我慢するしかない、冷蔵庫や暖房器具が壊れても買い換え費用は出ないので買えない、友人・知人のお葬式にも香典が出せないなどの声を聞いています。子どもが大学へ行きたいという場合は世帯分離をして自力で行くしかない上に、生活扶助費を大幅に削られてしまうという現状もそのままです。
今回の引き下げの理由は、全国消費実態調査において、「収入下位10%」層の支出額が減ったことが挙げられています。つまり、国民の収入の下位10%の人たちが支出する額より生活保護基準の方が高いから、低い方に合わせるということです。これは、収入下位10%の人たちの生活が悪化しているということなのに、そこに国の最低生活基準を合わせるという、本末転倒な話です。生活保護基準は、国民の人間らしい生活を保障する最低基準であり、その基準より低い生活を送らざる得ない人がいるならば、その水準を上げることこそが政府の仕事です。
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と謳った憲法第25条を実現する義務をなげうって、政府が率先して「貧困のスパイラル」を生み出すような生活保護引き下げは、断固中止するべきです。市民の切実な声を国に届ける本陳情の採択を改めて求めます。

【国民健康保険料の引き上げをやめよ】
次に、陳情第4号です。これは、岡山市の国民健康保険料の引き上げをやめ「安心して払える保険料」を求めるものです。岡山市は、これまで10年間市民の状況を鑑みた政策的な判断の下、法定外の繰り入れを行って国民健康保険料を据え置いてきました。しかし、4月からの県単位化に伴い、法定外繰り入れを6年間でゼロにするため毎年2.8億円規模の値上げをするという大きな方針転換を表明しました。
その理由は、今後の収支不足額の増加が見込まれ将来世代が多くの負担を背負う点、制度の維持が困難になる点を挙げ、健康保険制度の趣旨に則り保険料を改定するとのことでした。
しかし、この収支不足を保険料で埋めていくという考え方自体に、私たちは納得出来ません。国保は、自営業の方を始め、退職された方、非正規雇用の方、無職の方が入っており加入者の7割が所得200万円以下です。つまり月16.5万円の所得で4人家族の場合毎月3万円の保険料を払っていることになります。これ以上払えるわけがありません。また、退職後の方も多いので、お勤めしている年代に比べ、病院にも多くかかっているわけです。医療費の伸びに合わせて、保険料を上げ続けること自体が制度破綻を意味するのです。
そもそも日本は、社会保障給付費の9割以上を国保や介護保険など「社会保険方式」で実施している社会保険中心の国と言われています。つまり、社会保障の財源を税金ではなく保険料に頼っている割合が高いわけです。税金と違い、社会保険は全く所得が無い人にも必ず賦課されます。だから、国保料はゼロ歳の赤ちゃんにも賦課されているわけです。重度障害で働けない方にも賦課されるわけです。ここに社会保険方式の逆進性の大きさが表れています。「負担」なければ「給付無し」。これが保険原理です。民間の保険と同じ原理です。日本では特に強調されてきたため、当然のように感じている方も多いかもしれませんが、ヨーロッパ諸国では介護や保育などの社会保障の重要性に気づき、「社会保険方式」から「税方式」に修正されてきた経緯があります。
個人の所得税負担より社会保険料負担の方が大きいのは、主要国では日本だけだそうです。そのため、税と社会保障の重要な要素である所得再分配が日本では機能しておらず、OECD加盟国で、政府による所得再分配後に、子どもの貧困率が逆に高くなる唯一の国がこの日本です。これは、本来、税が免除されるべき低所得者層や子どもにまで保険料を賦課し、一方でこれらの人に対する給付がきわめて少ないことを意味します。
社会保障を「社会保険方式」に頼っている我が国は、政府の重要な機能であるはずの所得再分配が、逆に、貧困を増大させるという驚くべき事態を招いていると、鹿児島大学の伊藤周平氏は厳しく指摘します。
このような国の政策のもと、国は国保に対しても国庫負担を削ってきた経過がある中で、岡山市はH19年から法定外繰り入れを行い国保料を据え置いてきました。自治体の努力によって社会保障制度を守ってきたと言えると思います。今回の県単位化にあたり、法定外繰り入れをゼロにすることを、国は強要はしていません。ましてや6年とも言っていません。医療費の伸びについても、岡山市自体がH34年をピークと試算しています。ここ数年の岡山市の国保会計は、黒字幅も大きく、法定外繰り入れは実際の半額程度で済んだ可能性もあります。
市当局におかれましては、引き続き健康づくりに力を入れるとともに、社会保障は税で支えるという原点に立ち、最低限必要な法定外繰り入れを続けてこれ以上保険料を上げないよう強く求めます。特に、収入の無い子どもについて、1人増えることに保険料を約3.5万円も加算するという事はやめ、多子軽減を図ることも重要です。
最後に、社会保障費を削減することに熱心な政府に対し、また国保事務を新たに担う県に対し、市民の窮状を代弁することこそ、基礎自治体の役割で、財政支援の強化を求めることを強く求めまして、本陳情の採択を求めます。

以上、議員各位の賛同をお願いして討論を終わります。

 

 



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